MASATO YAMAGUCHI DESIGN OFFICE 代表 / デザイナー ファッションビジネス学会 FashionGood 研究部会 部会長 一般社団法人 TSUNAGU 理事 ユニバーサルファッション協会 理事 ディーズファッション専門学校、 文化ファッション大学院大学 出身。 在学中から国内外でリメイクブランドを展開。 現在はサステナブルファッションや リユースといったサーキュラーファッションを専門にデザイン、 商品企画、 イベン ト企画、講師、 企業のアドバイザー、 学会での研究などマルチに活動の幅を広げている。
あいにく仕事で山口さんの登壇には間に合いませんでしたが、お声がけさせていただきました。
最近の記事では以下を書いていらっしゃいましたので添付させていただきます。
【SUSTANABLE FASHION NEWS】
2013年に国際連合食糧農業機関は「昆虫を食べることが世界の食糧問題を解決しうる」と声明を出した。コオロギを筆頭に虫食が注目し始めている。環境に負担のかかる牛は食べてはいけないが虫はいいのか?という命の議論も出てくるだろうか。ファッション界でも昆虫とは密接な関係にある。代表的な素材はシルクである。シルクは蚕が繭から出る前に殺める。これは繭から出ると糸が切れてしまい紡ぎにくく手間がかかるからである(光沢も少し失われるらしい)。そんな殺められて作られるシルクを殺めずに作る方法を発明したのがインドの織物研究家であるKusuma Rajaiah氏である。彼は1991年にその方法を発明し、2001年に市場に提供することに成功した。そのシルクの名は「アヒムサシルク(ahimsa silk)」である。アヒムサシルクのように蚕を殺さずに製造されたシルクは「ピースシルク(peace silk)」と呼ばれている。
アヒムサシルクの場合、繭を7〜10日間放置し蛾が飛び立つのを待った後、紡績し織り上げる。紡績に約2ヶ月、織りに約1ヶ月かかり、出荷までに約3ヶ月かかるという。1ヶ月あたり最大で2000mを生産できるそうだ。品質は若干、一般的なシルクに比べると光沢感はないがより柔らかい肌触りに仕上がるそうだ。ただ手間がかかる分、高額になる。
ステラ・マッカートニーではピースシルクが採用されている。長年にわたり、従来のシルクとピースシルクを組み合わせて使用してきたが、ステラが求める品質と量を調達するは難しいと分かったとHPに記載されている。ステラがタンパク質から人工的にシルクを生み出すボルトスレッド社とパートナーシップを組んでいる背景はピースシルクの調達の難しさ、そして、より持続可能な方法を模索する中での判断だったのだろう。
太古の昔から蚕とは共存関係にあったが今後は人工シルクに変わりうるのだろうか。九州大学大学院のバイオラボでは殺さず糸を吐き出させる研究が行われている。蚕との関係性が変化する未来はありそうだが、現時点では答えは出ない。(山口さんの投稿)
そのどれもが大切であるのですが、今回は素材のシルクについての記事でした。
素材、マテリアルは大きく分けると天然繊維と化学繊維にわかれます。
蚕を殺さずに製造されたシルクは「ピースシルク」
値段が高くてもなるべく生きものを殺していないものを身に着けたい、というニーズは高まってきているのがサステナビリティであり、嬉しいことだと感じています。
(参考記事:「チョウチョが羽ばたくシルクを使ったインドのブランド「cocccon」」Fragments)
アニマルフリーの考え方と同じですね。