コート選びと着こなしテクニック

スタイリング

 

コート選びのコツとテクニック

防寒を優先すると着膨れして、やぼったく見えてしまうこともあります。
自分に合うコートの選び方は、体に対して服のサイズがぴったり合っているかどうかを意味する『サイズ感』を基本にしますが、見せたい印象によってはサイズ感を変えることです。

 

キチンと見せたい場合はサイズがぴったりと合っている物をえらび、抜け感を出す場合は少しルーズな物をあえて選ぶこともあります。またはコートの種類でサイズ感を変えることもあります。

 

例えば、ラップコートのようなガウンのように羽織るタイプなら少し大きめを選ぶ方がカッコよく着られますし、スタンドカラーコートのようなカッチリしたタイプのコートは、肩幅がきちんと合っていた方が美しく着られます。

 

襟のカタチや色、シチュエーションに合わせて選ぶことことも重要です。

 

襟のカタチがラウンドカラーならば優しい印象に見えますし、角ばったものならマニッシュな印象に見えます。色もダークな物は硬くてシャープな印象に見えますし、薄いカラーなら柔らかな印象に見えます。

 

シチュエーション別なら、当然ですが仕事とプライベートによりチョイスを変えます。

 

体型別に選ぶなら、小柄な人は膝上か膝丈だと軽快でバランスがよく、下半身がやや広がったAラインより、上から下まで細いIラインのほうがすっきりします。逆に背の高い人はふくらはぎより長いロング丈や裾広がりが映えます。

 

やせ型の方は体を大きく見せるダウンコートや重ね着がお似合いになりますし
ふっくらした方はフロントを開けてIラインをつくったり、ヒップラインが気になる方はAラインで裾広がりの物を選んだ方がお似合いになります。

 

価格も高いコートだからこそ、防寒対策になり、ご自分に似合うコート選びで長く着られる物を選びましょう。

 

大阪で顔ダンストップ講師、横山有香さんにお選びしたのはマントコートです。
スレンダーで、顔も小さくバランスの良い方なのでレイヤードスタイルも難なくお似合いです。
なで肩で肩幅が広く首が細い有香さんは、肩の切り替えがないマントタイプで細い首元をカバーする襟付きがお似合いでした。

 

 

ハワイ島から3年ぶりの日本帰国されたMASAKOさんも、ショッピングアテンドでのご希望に今すぐ日本で着られるコートをご希望でした。
見事な羨ましいX体型ですが、胸元が大きいと太って見えてしまいます。

そこでお選びしたのがやはりマント型ですが、襟がストールのように下に落ちるタイプのモノです。
巻き方で縦ラインをつくることで目線を縦に誘導し、お胸の大きさは気になりません。
このタイプならハワイでも着られると喜んでいただけました。

 

今回、動画解説にないマントタイプは最近のトレンドでもあり本格的に寒くなる前のシーズンに最適です。ヒップ周りの大きさもカバーしてくれます。身長により丈感を選ぶことが必要ですが、目安としては、ヒップが隠れるくらいがバランスが良いです。

また、袖がないタイプなので大きめのざっくりニットの上に羽織るのにも便利です。

 

【動画に出ているコートの解説】

※トレンチコート

ハリ感のあるコットンツイル生地が一般的
ダブルブレスト・ウエストベルト付き・エポーレット(肩賞)、ガンパッチ(胸元のカバー)、チンフラップ(襟元のカバー)など、戦闘服の名残がディテールに残っている

英国を代表するバーバリーとアクアスキュータムがトレンチコートを広めた元祖と言われています。
第一次世界大戦時にイギリス陸軍で採用されていた、ミリタリーコートがルーツとなっています。

 

※チェスターコート

正式名称は「チェスターフィールドコート」。19世紀に登場し流行。イギリスのチェスターフィールド伯爵がはじめて着たことが由来とされています。元々はドレッシーなコートとして着られていましたが、現在では、ビジネスにもカジュアルにも、あらゆるシーンで着用されています。

・テーラードジャケットのようなノッチドラペル
・ヒップが隠れるやや長めの丈
・無駄のないスマートな縦長シルエット

マニッシュでかっちりとした印象を与えるから、素材、色、シルエットなどに女性らしいエッセンスを加えるのがベストです。

 

※スタンドカラーコート

キリッとハンサムに着こなせるスタンドカラーコート。前開きで着用する場合は、スタンドカラーを寝かせて着用すると、華やかな雰囲気に印象チェンジできます。

特徴
・首に沿ってまっすぐ伸びた立ち襟
・マフラーなしでも首周りの防寒性が高い
・Iラインシルエットが多く縦長効果が得られる

 

※ノーカラーコート

柔らかな雰囲気やヌケ感が得られるノーカラーコート。首周りの防寒性は低いものの、それをカバーする利点もあります。

特徴
襟がないデザイン(カラーレス)
ラウンドネックやVネックが主流
顔周りがスッキリ見える
・ストールやマフラーなどの巻き物アレンジがしやすい
・首元へのメイク移りが気になりにくい

 

※ピーコート

水平や船員が着用していたコート。厳しい環境を耐え抜く工夫が施されています。

特徴
・厚手で目の詰まったメルトン生地(風を通さず熱を逃がさない)
左右どちらにも上前が変えられるダブルブレスト(風向きに合わせて留め変える)
ハンドウォーマーポケット(手を温める)
大きな襟(襟を立てて遠くの音を聞きやすくする)
・いかりマークの入った大きなフロントボタン(手袋をしたままでも扱いやすい)

日本では「Pコート」と表記される場合がありますが、英語では「pea coat」と表記します。名前の由来は、毛羽立った厚地の生地名“ピー”から名づけた説、イカリの爪“ピー”から名づけた説など、諸説あるそうです。

 

※ステンカラーコート

ステンカラーコートは、装飾の少ないオーソドックスなデザインが多くみられます。キリッとした印象も感じられるため、お仕事用にも重宝します◎

特徴
後側が高く、前側が低い襟デザイン
第一ボタンを掛けても外しても着用できる

別名「バルマカーンコート」「バルカラーコート」「スタンドフォールカラー」とも呼ばれています。実は”ステンカラー”は和製英語。日本以外では通じません。

 

※ラップコート

たっぷりとしたデザインが多く、リッチな気分になれるラップコート。女っぷりを上げてくれるコートです。

特徴
巻きつけ式のコート(ラップ=巻く)
ボタンを使わず、共生地のベルトを巻いて着用
・前合わせは、ダブルブレストのデザインが多い

 

※ダウンコート

ダウンアウター、ダウンコートなど、呼び方がいくつかあります。キルティングジャケット同様、デザインの種類が豊富です。スポーティーなデザインが主流でしたが、現在ではビジネススタイルにも合うドレッシーなデザインも多くみられます。

特徴
羽毛(ダウン)入りのキルティング加工を施した生地を使用
軽量で暖かい
・極寒地の防寒着や作業着が原形

・人気ブランドは、モンクレール、タトラス、デュベティカ、ヘルノ、ウールリッチ、カナダグースなどがあります。

タイトルとURLをコピーしました